介護職の離職率は非常に高く、3年未満に75%の人が辞めているのが現状だ。だがもともと嫌々就職したのかと言えばそうではない。介護職を選んだ人の6割以上が働きがいのある仕事だから選んだと答えている。また、人のために何かをしたい、介護の仕事をする中で自分も成長していきたいと答える人も多い。
給与が低く体力的にもきついと言われている介護職だが、だからこそそこに就職しようとする人は普通の人よりもはるかに高いモチベーションを持っていると言える。ではなぜ3年未満で8割近くの人が辞めてしまうのだろうか。
それは理想と現実のギャップに直面するからだ。養成学校を卒業して就職した人は利用者主体の介護というよりも、流れ作業のように業務をこなす日々に矛盾を感じやすいと言う。
一人一人に向き合った介護をしたかったのに、黙々と業務をこなす日々に体と心が疲れていく。また、介護の仕事をすることで利用者やその家族から感謝されるかと思いきやまるで従者のように扱われ、叱られたり理不尽な要求を突き付けられることもある。このような介護職の現実を知り辞めてしまう人は少なくない。
だが理想と現実のギャップに直面した時、すぐに仕事を辞めてしまうのではなく、それこそ自分の成長につなげるチャンスだと言える。例えば、相談できる同僚や先輩を見つけたり、研修に参加したり、本を読んだりして情報を集めるのだ。環境に対する文句を言い続ける前に、自分がどう向き合っていくか、どのように成長につなげていくかを考えていくことが、介護職で長く活躍し続けるベテランになるためには大切だ。